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本インストレーション・ガイドでは、bootldr をインストールし、 「式神」iPAQ版を起動するまでの手順を説明します。
インストールに必要なCFメモリ・カードの容量は、64Mバイト
iPAQのbootldr、Linuxでは、シリアル・インタフェースをコンソールとし て使います。そのため、Linuxからは端末エミュレータ・ソフトminicomを 使って、iPAQ を操作します。ここでは、minicomの設定の仕方について説 明します。minicomの使い方の詳細についてはminicomのマニュアルを 参照して下さい。
minicom以外の端末ソフトも利用できますが、プログラムのダウンロード にxmodemプロトコルが利用できる必要があります。
115200ボー 8ビット、パリティなし、1ストップビット、フローコントロール なし
そのためには、以下のようにします。作業は rootアカウントで行います。
minicom -s -o
+-----[configuration]------+ | Filenames and paths | | File transfer protocols | | Serial port setup | | Modem and dialing | | Screen and keyboard | | Save setup as dfl | | Save setup as.. | | Exit | +--------------------------+
+=========================================== | A - Serial Device : /dev/modem | B - Lockfile Location : /var/lock | C - Callin Program : | D - Callout Program : | E - Bps/Par/Bits : 38400 8N1 | F - Hardware Flow Control : Yes | G - Software Flow Control : No | | Change which setting? +===========================================
変更したらエンター・キーを押して最初のメニューに戻ります。
minicom -o
インストール用CFメモリ・カードの作成は、PC上のLinuxを用いて行います。 CFメモリ・カードへの読み書きを行えるようにLinuxの設定を別途行っておいて下さい。 作業は rootアカウントで行います。
次の手順では、 CFカードのデバイスは /dev/hdc に見えているものとしています。 CFカードのデバイスが何に対応しているかは、 カード挿入後に dmesg のメッセージを見ることで確認できます。 実際の作業では、確認の上、自分の環境にあったデバイスを指定して下さい。
fdisk を用いて、パーティションの切り直しを行います。
基本領域1に EXT2 で全てのサイズを割り当てます。
128MbyteのCFメモリ・カードでの作業例を以下に示します。
# fdisk /dev/hdc コマンド (m でヘルプ): p ディスク /dev/hdc: ヘッド 8, セクタ 32, シリンダ 978 ユニット = シリンダ数 of 256 * 512 バイト デバイス ブート 始点 終点 ブロック ID システム /dev/hdc1 1 25 3184 1 FAT12 /dev/hdc2 26 978 121984 83 Linux (このように、既に存在するパーティションが表示されます。 次の手順で、すでに存在するパーティションを削除します) コマンド (m でヘルプ): d 領域番号 (1-4): 1 コマンド (m でヘルプ): d 領域番号 (1-4): 2 コマンド (m でヘルプ): n コマンドアクション e 拡張 p 基本領域 (1-4) p 領域番号 (1-4): 1 最初 シリンダ (1-978, 初期値 1): 初期値 1 を使います 終点 シリンダ または +サイズ または +サイズM または +サイズK (1-978, 初期値 978): 初期値 978 を使います コマンド (m でヘルプ): p ディスク /dev/hdc: ヘッド 8, セクタ 32, シリンダ 978 ユニット = シリンダ数 of 256 * 512 バイト デバイス ブート 始点 終点 ブロック ID システム /dev/hdc1 1 978 125168 83 Linux コマンド (m でヘルプ): w 領域テーブルは交換されました! ioctl() を呼び出して領域テーブルを再読込みします。 警告: DOS 6.x 領域を作成、または変更してしまった場合は、 fdisk マニュアルページにある追加情報を参照してください。 ディスクを同期させます。 |
パーティションに対して mkfs を実行します。手順は次の通りです。
# mkfs -t ext2 -m 0 /dev/hdc1 mke2fs 1.18, 11-Nov-1999 for EXT2 FS 0.5b, 95/08/09 Filesystem label= OS type: Linux Block size=1024 (log=0) Fragment size=1024 (log=0) 47104 inodes, 187888 blocks 0 blocks (0.00%) reserved for the super user First data block=1 23 block groups 8192 blocks per group, 8192 fragments per group 2048 inodes per group Superblock backups stored on blocks: 8193, 24577, 40961, 57345, 73729 Writing inode tables: done Writing superblocks and filesystem accounting information: done |
CFメモリ・カード上のファイル・システムをマウントするための ディレクトリ作成します。次のようにして作成して下さい。
# mkdir /mnt/cf |
式神バイナリキットに含まれるファイルを、CFメモリ・カードEXT2のパーティションにコピーします。 次の手順でコピーしてください。
# mount -t ext2 /dev/hdc1 /mnt/cf # cp sikigami-ipaq-cf3.tgz /mnt/cf/ # cp sikigami-ipaq-sg11.tgz /mnt/cf/ # cp sikigami-ipaq-ex11 /mnt/cf/ # sync; umount /mnt/cf |
各ファイルについて
以上で、インストール用CFカードの完成です。
「式神」のインストールは以下の手順で進めます。このうち Bootldr のインストールに関しては 必ず、 ftp://ftp.handhelds.org を参照して進めてください。
!!!ここでの作業は貴方の iPAQ を二度と起動しないただのモックアップにしてしまう 可能性があります。 全て自己責任において行ってください。株式会社アックスは何が起ころうと一切関知 しません。!!!
以下のページから BootBlaster, Bootldr をダウンロードし、iPAQ の "マイデバイス" 下へコピーします。
ここではブートローダを上書きしますので、BootBlaster を用いて オリジナルのバックアップを取ります。iPAQ 上で BootBlaster を起動します。
"Flash" -> "Save Bootldr" でオリジナルのブートローダのバックアップが作成されますので、 安全な場所に退避しておいてください。ファイル名は以下になります。
"マイデバイス/My Documents/saved_bootldr.bin"
"Flash" -> "Save Wince .gz format" で、WinCE のイメージが作成 されますので、これも安全な場所に退避しておいてください。ファイル名は以下になります。
"マイデバイス/My Documents/wince_image.gz"
"Flash" -> "Program" で、確認メッセージのあとダイアログが開くので、 コピーしておいた bootldr-2.18.01.bin を指定します。すると内蔵フラッシュメモリ 領域への Bootldr のインストールがはじまります。このとき iPAQ は十分充電しておき、かつ クレードルに置いておくことを強くお勧めします。
正常に書きこみが行われた場合、下記のメッセージが現れますので、必ずこれを 確認してから次の段階に進んでください。もし書きこみに失敗した場合はこの メッセージが現れませんので、もう一度書きこみを行ってください。
"You appear to have a valid OHH Bootloader 2.18.1 in flash. To access this Bootloader on the serial port, hold the joypad center and reset."
ジョイパッドの真中を押しながらリセットをすると、シリアルコンソールに Bootldr のプロンプトが現れます。その後下記コマンドにて Bootldr の設定を 行ってください。
boot> partition reset argv[1]=reset defining partition: bootldr defining partition: root |
ブートローダのプロンプトを出して、以下のコマンドを実行します。
boot> load bootldr loading flash region bootldr using xmodem ready for xmodem download.. |
このような表示になれば、minicom を用いて以下のファイルを XMODEM プロトコルでアップロードします。minicom での操作は Ctrl-a, z, s になります。 ファイルはあらかじめ ftp://ftp.handhelds.org/pub/linux/compaq/ipaq/stable/install.html よりダウンロードしておきます。
programming flash... unlocking boot sector of flash Protect=00000000 erasing ... Erasing sector 00000000 writing flash.. addr: 00000000 data: EA00008E addr: 00010000 data: 00022BC0 addr: 00020000 data: 00000000 verifying ... done. startAddress :00000000 limitAddress :00029A80 Protecting sector 00000000 Protect=00010001 |
正常に書きこみが行われた場合、このようなメッセージが現れますので、必ずこれを 確認してから次の段階に進んでください。もし書きこみに失敗した場合はこの メッセージが現れませんので、もう一度書きこみを行ってください。
ジョイパッドの真中を押しながらリセットをすると、シリアルコンソールに Bootldr のプロンプトが現れます。その後下記コマンドにて Bootldr の設定を 行ってください。
boot> partition reset argv[1]=reset defining partition: bootldr defining partition: root |
書きこみ準備として bootldr のプロンプトが出ている状態で以下のコマンドを実行します。
boot> pflash 0x40000 0xffff 0 addr=00040000 len=0000FFFF protect=00000000 Protect=00000000 |
次に「式神」ルートイメージを書きこみます。
boot> load root loading flash region root using xmodem ready for xmodem download.. |
このような表示になれば、minicom を用いて バイナリキットに含まれる以下のファイルを XMODEM プロトコルでアップロードします。minicom での操作は Ctrl-a, z, s になります。
その後、書きこみがはじまります。この作業には30分程度の時間を要します。
addr: 00930000 data: FFFFFFFF verifying ... formatting ... done. |
このような表示が現れれば「式神」ルートイメージ書き込み成功です。 数字がiPAQ をリセットして次に進みます。
root 権限で /cf に CF メモリをマウントし、インストールスクリプトを実行します。
#mount /dev/hda1 /cf #cd / #sh /cf/sikigami-ipaq-ex11 |
展開が終わると自動的にリブートし、「式神」が起動します。お疲れさまでした。
$ su Password: rootme (表示されません) # date MMDDhhmmYY # exit |
2001年 7月 13日 9時 30分の場合
# date 0713093001と入力します。 dateコマンドの詳細は、Linuxのmanを参照してください。
$ su Password: rootme (表示されません) # sync ; reboot |