フリーUNIXの動作するAlphaマシンについて


竹岡 尚三 (AXE, Inc.)

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last update Jan/1999

目次

  1. はじめに
  2. モニタ・プログラムについて
  3. MultiaとUDBとEWS
  4. AXPpci
  5. AlphaStation 200
  6. DEC 3000
  7. TGAビデオボード
  8. SRMの使い方
  9. 参考URL
  10. AXPpciマシンの作り方
  11. ベンチマーク結果

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はじめに
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Alphaは世界最高のクロック周波数を誇るRISCマシンである。
また、Alphaの世界では、もっとも効率よく扱える整数のビット幅は64bitで ある。
NetBSD/AlphaもDEC UNIXも Linux/Alpha も64bitの世界である。 OSのシステム コールもライブラリも各コマンドも64bitが基本である。

Alphaマシンは各種存在するが、趣味でフリーUNIXを動かすには情報が少ないだろう。

本稿は、これらAlphaマシンの中で、筆者が入手し、フリーUNIXを動作させるこ とができたものについての情報を記述している。

また、関連ハードウェアについての情報も記述している。

現在は、

についての情報を記述している。

また、Alphaマシンの持つモニタ・プログラムについても記述している。

NetBSD,OpenBSD,FreeBSDのX windowサーバがサポートしているただ一つのビデ オ・カードであるTGAについても述べる。


モニタ・プログラムについて
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Alphaマシンには

という2種類のモニタ・プログラムがある。

SRMはDEC UNIX用のモニタである。
コマンド・ラインで対話する、通好みのモニタだ。:-)
UNIXのメモリ・フォールト・コードはSRM標準のフォールト・ルーチンを使用す るので、DEC UNIX, NetBSD, OpenBSD, FreeBSDは、SRMでしか使用できない。
ただし、Linux/Alphaのみは、ARCからも起動可能らしい。(筆者は未確認)

ARCはWindowsNT用モニタである。Mips CPUを使用したマザーボードなどにも搭載 され、WindowsNT標準ソフトウェアである。
メニュー・ドリブンで使用感はあまり楽しくない。

ARCが動作しているマシンでは、フリーUNIXのブートのために、モニタをARCか らSRMに変更しなければならない (後に詳述)。


MultiaとUDBとEWS
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MultiaとはAXPpciとほぼ同一のアーキテクチャを持ちながら、完全なシステム となっている販売されているマシンである。

MultiaはUDB(Universal Desktop Box)とも呼ばれる。
これらの機械も NetBSD/AlphaなどフリーUNIXのサポート・リストに載っている。
(Multiaと UDB は正確にはその位置付けが違うのだが、ユーザにとっては 大した意味はないだろう)

Multiaは非常に小さくてかわいい匡体内に Alpha CPUをはじめ、TGA(ビデオカー ド), 音源, Ethernet, HDDなどすべてを収めた上で、最小構成定価が20万円を 切る画期的な Alphaマシンであった。が、残念なことにすでに製造中止となってい る。

また、Multiaとほとんど同じ構造の機械が、「Digital's Easy Web Server」 として、過去に販売されていた。

MultiaのファームウェアはSRMとARCをFlashROMに同居させ、モニタ・コマンド で簡単に切り替えられるので、非常に便利である。

MulitaがARCになっている場合は、

  1. "Boot menu:" において "Supplementary menu..."を選び
  2. "Supplementary menu:" において "Switch to OpenVMS or Digital UNIX console"
を選択。
その後、電源を再投入するとSRMに切り替わっている。

SRMが起動したあとは、AXPpciとまったく同様にNetBSD/Alphaなどが稼働する。

なお、筆者が入手したMultiaのTGAはX Windowが1024×768で動作するモードに 設定されていた。(内部ジャンパの変更で画面解像度が変更できるようだが、筆 者は確認していない)

ファームウェアをSRMからARCにするには、SRMプロンプトで

	>>> arc
 
とするのみである。

Mulitaは日本の家庭やオフィスにぴったりの機械なので、生産中止になったこ とは非常に残念である。

UDBの情報、ファームウェア更新ファイルは

にある。


AXPpci
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AXPpciはDEC社が単体販売していたAlphaCPUを使用した基板である。

AXPpciはIBM PC/AT互換機の部品を使用して組み上げられるように設計されてい る。
ここで使用している部品については、他機種でも参考になることもあるだろう。

AXPpci33にはWindowsNT版とDEC UNIX版がある。

キーボードが接続されていない場合、シリアル・コンソールを使用して起動する。

詳しくは AXPpciマシンの作り方 を参照のこと。

  • AXPpci33の資料は、 ftp://ftp.digital.com/pub/DEC/axppci/ に役立つものがある。
  • AXPpci33のファームウェア更新ファイル(1999/Jan時点での最新)は ftp://ftp.digital.com/pub/DEC/Alpha/firmware/v5.3/decaxppci33/ にある。
    AlphaStation 200
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    Alpha Staion 200 4/100は非常に遅いハードウェアである。

    Alpha Staion 200 4/100の諸元は次の通り。

      CPU   : Alpha AXP21064A 100MHz
      キャッシュ: 512KB
      メモリ: 64MB
      HDD   : SCSI-2 I/F
      その他: 10Base-T/2, 音源
     
    Alpha Staion 200 4/100は遅いものの、DEC UNIX, NetBSD, FreeBSD, OpenBSD などのUNIXが動作する。

    Alpha Staion 200 4/100には10BaseTと10Base2の切り替え可能なEthernet イン ターフェースが備わっている。
    Tと2のインターフェース切り替えはSRMの環境変数に値をセットして行う。
    具体的には、

    >>>set ewa0_mode Twisted-Pair
     
    として行う。

    サーバ・マシンという名目で販売されているモデルはビデオ・カードを持たな い。
    IBM PC/AT互換機用の適当なPCIビデオ・カードをPCIバスに装着すれば、コンソー ルは問題無く使用できる。SRMもNetBSDも正常に動作する。

    また、このマシンには、IBM PC/AT互換機用のキーボード、3ボタン・マウスが 使用できる。

    キーボードが接続されていない場合は、シリアル・ポートがコンソールとなる。


    DEC 3000
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    DEC 3000も古いハードウェアである。

    DEC 3000の諸元は次の通り。

      CPU   : Alpha AXP
      メモリ: 
      HDD   : SCSI-2 I/F
      その他: 10Base-T/2
     
    DEC 3000でも、DEC UNIX, NetBSD, FreeBSD, OpenBSD などのUNIXが動作する。

    DEC 3000は、プリンタ・ポートが25pinのシリアル・ポートになっている。
    キーボードが接続されていない場合、プリンタ・ポートがシリアル・コンソー ルとなって起動する。

    このマシンには、IBM PC/AT互換機用のキーボード、3ボタン・マウスなどは使 用できない。
    マウスはVAX Station用のものが、キーボードはVT220,VAXStationのものが流用 できる。


    TGAビデオボード
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    TGAはDEC純正のビデオカードである。
    NetBSD, OpenBSD, FreeBSDなどフリーな BSDの X windowサーバは現在、このカードしかサポートしていない。

    TGAと呼び習わされているカードには何種類かある。
    筆者が入手した物は、ZLXp-E1 (PBXGA-AA)というものである。
    このビデオカードは8プレーンなので、256色のX Windowサーバが動作する。

    このビデオカードには、4PのDipスイッチがついている。ドキュメントが入手 できていないので詳細は不明だが、筆者の実験によると、このスイッチはリセッ ト直後の解像度のデフォールト値を指定する物のようである。

    実験によって得られた、代表的な設定値を示す[表]。

    TGAはDEC UNIXでも、WindowsNTでも快調に動作する。

    表: TGAのDipスイッチ設定
    Dip SW 1 O X X O
    2 O O X O
    3 X X X O
    4 O O O X
    グラフィック解像度 640×480 640×480 1024×768 1024×864
    テキスト解像度 52×21 66×27 80×34 80×34
    凡例 O: SWをOpen , X: SWをClose




    SRMの使い方
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    ここでは、SRMの使用方を述べる。

    SRMの機能は、マシンの機種とSRMのバージョンによって様々である。
    ハードウェア機能を制御する環境変数も様々である。

    SRMで使用できるコマンドを確認するには、

    >>>help
     
    とする。
    ハードウェア設定でよく判らないことがあった場合は、とりあえず
    >>>sho
     
    と入力し、環境変数一覧を表示させる。
    その中で、ハードウェアに関係ありそうな環境変数をいじってみると、うまく いく場合もよくある。

    SRMが起動したら、まずハードウェアの確認をしよう。

    	>>>sho dev
     
    大抵の機種で、SCSIデバイスは、dka?00と表示される。('?'はSCSI-IDの数字)
    大抵の機種で、フロッピはdva0、EtherI/Fはewa0である。
    (ただし、DEC 3000のように、フロッピがSCSIデバイスのマシンもある)

    メモリ容量の確認は

    	>>>sho mem
     
    とする。

    もっと詳しい情報が欲しい時には、

    	>>>sho config
     
    とします。

    単に、

    	>>>sho
     
    とすると、既述のように、現在の環境や変数が表示される。
    これらの値はsetコマンドで変更可能である。
    SRMモニタは、コンソールをシリアル・ラインにも切り替えられる。
    	>>>set console serial
    	>>>init
     
    これで、シリアルラインCOM1に接続した端末をコンソールにできる。
    (通信条件: 9600bps, 8bit, NoParity)。
    コンソールをCRTディスプレイにもどすには、
    	>>>set console graphics
     
    とする。

    SRMが動作している大抵のAlphaマシンにおいては、キーボードを接続していな いと、自動的にシリアル・ポートがコンソールになる。
    DEC純正マシンの場合、プリンタ・ポートがシリアル・ポートになっていること が多い。DEC 3000は、プリンタ・ポートが25pinのシリアル・ポートになってい る。


    参考URL
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    Alphaマシンのファームウェア更新ファイル
    ftp://ftp.digital.com/pub/DEC/Alpha/firmware/
    上記のホームページ
    ftp://ftp.digital.com/pub/DEC/Alpha/firmware/index.html
    AXPpci33の資料
    ftp://ftp.digital.com/pub/DEC/axppci/
    AXPpci33のファームウェア更新ファイル(1999/Jan時点での最新)
    ftp://ftp.digital.com/pub/DEC/Alpha/firmware/v5.3/decaxppci33/
    UDBについて
    http://www.annex.co.uk/systems/udb.html
    UDBのファームウェア更新ファイル
    ftp://ftp.digital.com/pub/DEC/Alpha/firmware/interim/udb/
    DECのチップ等に関するドキュメント
    NetBSDが置かれているftpサイトのNetBSD/misc/dec-docs/
    例えばftp://ftp.netbsd.org/pub/NetBSD/misc/dec-docs/


    (たけおか しょうぞう AXE, Inc.)



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